コーヒーをもっと美味しく淹れたいと思ったとき、多くの人が最初に注目するのが「ミル(グラインダー)」の質。
中でも注目を集めているのが、高級手挽きミルの代表格「Comandante(コマンダンテ)」と、コスパに優れた人気ブランド「TIMEMORE(タイムモア)」です。
どちらも高評価のミルですが、価格や使い心地は大きく異なります。
この記事では、実際に両方を使った経験をもとに、「どっちが自分に合っているか?」という視点で徹底比較していきます。
Comandante vs Timemore(C3S or C2)の基本スペック比較
項目 | Comandante C40 MK4 | TIMEMORE C2 / C3S |
---|---|---|
価格帯 | 約40,000〜50,000円 | C2:6,000〜8,000円 C3S:11,000〜14,000円 |
刃の素材 | 高窒素ステンレス鋼(ニトロブレード) | C2:SUS420 ステンレス C3S:S2C660ステンレス刃 |
刃の形状 | コニカル(円錐)+高精度ミクロン調整 | コニカル刃(S2Cは高精度仕様) |
挽き目の均一性 | 非常に高い(カッピング用途にも対応) | C2:中程度〜やや良好 C3S:良好(ドリップ中心) |
クリック段階数 | 約40段階(主にドリップ向け) | C2:約30段階 C3S:約36〜60段階(改良) |
容量(豆投入量) | 約30g | C2:20〜25g C3S:25〜30g |
重量 | 約600g | C2:約430g/C3S:約470g |
本体素材 | ステンレス+天然木(外装) | アルミニウムボディ(C3Sは滑り止め加工あり) |
ハンドル感覚 | 重厚でなめらか、無音に近い | やや軽め、C2は軽快/C3Sは安定性が高い |
分解・洗浄 | 工具不要、分解清掃可 | 同様に分解可、メンテナンスしやすい |
製造国 | ドイツ | 中国 |
🛒楽天市場で探す | 🛒楽天市場で探す |
💡 注釈・補足
- 「ニトロブレード」はComandante独自の高耐久刃。長年の使用にも耐える。
- Timemoreは「C3S」以降で刃の精度がかなり上がっているが、Comandanteと同等ではない。
- エスプレッソ対応ならTimemore C3 ESP、Comandanteは非対応(細挽きには向かない)。
Comandanteを選ぶべき人
Comandanteは、単に「挽ければいい」ミルではありません。
精度、耐久性、体験、すべてにおいて”道具の本質”を突き詰めた製品です。だからこそ、次のような人にこそ選ばれています。
1. 味の再現性・抽出の安定性を最重視する人
Comandanteは、粒度の均一性が極めて高く、浅煎りなど繊細な風味を引き出すのに最適です。
毎回同じ条件で豆を挽けるため、ドリップやカッピングにおいても再現性の高い味づくりが可能。特に風味の微差にこだわりたい中〜上級者に向いています。
2. 長く使える「一生モノ」の道具を求めている人
Comandanteは、**高窒素ステンレス製の刃(Nitro Blade)**を使用し、摩耗に非常に強く、長年の使用にも耐えます。
また、すべてのパーツが分解・交換可能で、ベアリングやパッキンなども単体購入可。
道具として10年単位で使い続けたい人には、理想的な設計です。
3. 「豆を挽く時間」も大切にしたい人
ハンドルを回した瞬間のなめらかな回転感、静音性、重厚感はComandanteならではの体験です。
単なる調理器具としてではなく、「毎日のルーティンに癒しや楽しさを感じたい」という人にとって、挽く時間そのものが満足感に変わるミルです。
4. デザイン・所有感に価値を見出す人
天然木の外装、美しいアルマイト加工、ドイツ製の精緻な造形など、所有することそのものに満足感があります。
「機能性」だけでなく「暮らしの質を高める道具」として、ミルに感性価値を求める人にもおすすめです。
TIMEMOREを選ぶべき人
「コスパの良さ」「使いやすさ」「持ち運びのしやすさ」など、
TIMEMOREは日常でのリアルな使い勝手に優れた、実用的な手挽きミルです。
1. はじめて手挽きミルを使う人・コーヒーを気軽に楽しみたい人
TIMEMOREのC2やC3シリーズは、価格が6,000〜14,000円と手頃ながら、十分な粒度調整と性能を備えています。
特にC2は、初めてミルを買う方でも安心して使えるコスパの良い入門モデルとして定評があります。
2. 軽量&コンパクトなミルを探している人(アウトドア・旅行用途など)
TIMEMOREのミルは本体が小さく軽く、C2で約430g、C3でも500g未満。
金属ボディながら携帯性に優れ、収納もしやすいため、アウトドアや旅先での使用にもぴったりです。
一部モデルでは滑り止め加工が施されており、野外での安定性も高め。
3. 「細かい味の違い」よりも「日常的に手軽に使えること」を重視する人
C3シリーズ以降では刃の性能が向上し、粒度の安定性も十分。
ただし、浅煎りの繊細な風味や極細挽きの精密なコントロールはやや不得手。
そのため、「コーヒーを毎日手軽に挽きたい」「そこまで味にこだわりすぎない」という日常使い志向の人に向いています。
4. 見た目がシンプルでミニマルなデザインが好きな人
TIMEMOREのデザインは無駄のないアルミボディに、モダンでクリーンな印象。
装飾性を抑えたミニマルな外観は、スタイリッシュなキッチンやアウトドアギアとの相性も良好です。

実際に使って感じた違い|Comandante vs TIMEMORE
◎ 回し心地の違い
Comandante:
回し始めがとてもなめらかで、途中で抵抗の変化が少なく、上質な手応えと静音性があります。
高精度なベアリングとブレード構造により、「精密機械を動かしている」ような感覚です。
TIMEMORE:
C2モデルでは、回し始めにややザラつきを感じることもありますが、軽くてスピーディーに挽けるのが特徴。
C3以降は改善されており、抵抗感が均一で滑らかさが増した印象。ハンドル操作も安定しています。
◎ 挽き目の安定性と味への影響
Comandante:
粒度の均一性が非常に高く、特に浅煎りの繊細なフレーバーを明瞭に表現できます。
ドリップやカッピングでも味の再現性が高く、豆の個性がクリアに出やすいです。
TIMEMORE:
C2では粒度のばらつきがやや出やすく、深煎りでは微粉が多くなる傾向も。
C3S以降では刃の精度が向上し、ドリップなら十分な均一性と安定した味が出せるレベルです。
◎ デザイン・所有感の違い
Comandante:
天然木の外装とクラシカルなデザインが魅力で、**「持つ喜び」や「使う時間の特別感」**があります。
視覚的にも空間に馴染み、所有欲を満たす道具としての価値が高いです。
TIMEMORE:
アルミボディで質感は良好。シンプルで無駄のないデザインは、実用性・軽量性とのバランスに優れています。
特にC3シリーズは滑り止め加工などもあり、実用重視のモダンな美しさを感じさせます。
🔍 まとめポイント(補足)
項目 | Comandante | TIMEMORE |
---|---|---|
回し心地 | 重厚・静か・なめらか | 軽快・速い・ややザラつき(C2) |
粒度均一性 | 非常に高い | C3以降は良好(C2はやや粗い) |
味の再現性 | 高精度・浅煎り向き | 日常使いに十分な性能 |
デザイン | 高級感・クラフト感 | モダン・軽量・実用的 |
よくある質問(Q&A)
Q1. TIMEMOREでも味はしっかり出ますか?
はい、ドリップやフレンチプレスであればTIMEMOREでも十分な抽出性能があります。
特にC3シリーズ以降は粒度の安定性も改善されており、日常使いのレベルでは満足できる方がほとんどです。
ただし、浅煎りの風味を繊細に表現したい場合は、Comandanteの方が一歩リードします。
Q2. エスプレッソにも対応していますか?
- Comandante: 細挽きも可能ですが、エスプレッソレベルの極細挽きには非推奨です。調整の幅や粒度の再現性の点で専用機に劣ります。
- TIMEMORE: C3 ESPやX-Liteなど、エスプレッソ対応モデル(外部クリック式)も登場しています。
エスプレッソを想定している場合は、TIMEMOREの専用モデルの方が向いています。
Q3. Comandanteはなぜそんなに高いのですか?
素材・製造工程・設計思想に理由があります。
- 刃は高窒素ステンレス(Nitro Blade)で非常に耐久性が高い
- すべてのパーツが高精度かつドイツ国内で製造・組立
- 10年単位の使用に耐える構造で、一生モノとして使える
これらの要素が価格に反映されています。詳しくは下の記事で解説しています。

Q4. 結局どちらがコスパがいいの?
使用頻度と目的によります。
タイプ | おすすめ |
---|---|
週1〜2回程度・入門用として | TIMEMORE(特にC2) |
毎日使う・味にこだわる・道具と長く付き合いたい | Comandante |
月10回以上使う人や、味・再現性を求める人にはComandanteのほうが長期的には「コスパがいい」と感じられるケースが多いです。
Q5. 初心者にはどちらが向いていますか?
「まずは気軽に手挽きミルを試してみたい」「豆の違いや味の微細な変化まではわからない」という場合には、TIMEMOREのC2やC3シリーズがベストな選択です。
ただし、初めから長く使えるものを選びたい・買い替えを避けたいという人には、最初からComandanteを選んでも後悔は少ないでしょう。
🧭 ワンポイントまとめ:
【結論】あなたに合うミルはどっち?
あなたのスタイル | おすすめのミル |
---|---|
毎日飲むコーヒーをもっと美味しくしたい | Comandante |
味の違いや浅煎りの繊細な風味まで楽しみたい | Comandante |
道具を長く大切に使いたい/所有感を味わいたい | Comandante |
初めて手挽きミルを使ってみたい | TIMEMORE(C2) |
持ち運びやアウトドアでも使いたい | TIMEMORE(C2/C3) |
手軽に毎日挽けるミルを探している | TIMEMORE(C3) |
☕ 迷ったときの選び方ワンポイント
- 「味にこだわりたいか?」→ こだわるならComandante
- 「まずは試してみたいか?」→ 気軽に始めるならTIMEMORE
💡編集者からのひとこと
どちらのミルも、それぞれにしっかりとした価値と魅力があります。
大切なのは、あなたが「どんなコーヒー時間を過ごしたいか」です。
本格派の1台を求めるならComandante、実用的で手軽に楽しみたいならTIMEMORE。
あなたのライフスタイルに合った1台が、きっと見つかるはずです。
あとがき
ミルひとつで、コーヒーの味も、朝の空気も、変わることがあります。
「どっちがいいんだろう」「自分には贅沢すぎるかな」
そんなふうに迷っている方も多いと思います。
でも、それは**「道具を選ぶ時間すら楽しめている」**ということでもあるんですよね。
日々のコーヒーをもっと丁寧に味わいたいなら、Comandanteは素晴らしい選択です。
一方で、まずは気軽に手挽きミルを体験してみたいなら、TIMEMOREはとても優秀な入門機。
どちらを選んでも、あなたのコーヒー時間が少しだけ特別なものになるはずです。
気になった方は、ぜひ自分のライフスタイルに合った一台を見つけてみてください。



コメント